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2021.2.10


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「炎立つ(1~5巻)」

高橋克彦
講談社文庫

平安時代末、そこには黄金によって支えられた第二の都がありました。
奥州平泉。
かつて阿弖流為が支配し、坂上田村麻呂によって征伐された場所。

話は、その地域を支配する安倍氏の長男貞任と、藤原経清の2つの火が出会う事で始まります。
都の支配から逃れたい奥州、そこに眠る金を見過ごせない中央。
そして武力によって勢力を伸ばし始める源氏。
政府と奥州との間で揺れる経清。
前九年の役は、数々の思惑、策謀を巻き込み火蓋をあげます。

安倍氏は、一度は源氏の軍勢を追い返し、奥州にも平和が戻ります。
あと少しで和議がなるかという時、生き延びた源頼義の策謀により、奥州は再び戦火に巻き込まれていくのでした。
尽きない都の軍勢、清原氏の裏切り、安倍氏は窮地へと追い込まれていきます。(1~3巻)

源氏によって戦乱に巻き込まれた前九年の役、奥州の支配者となったのは清原氏でした。
しかし、藤原経清の息子は、清原清衡として生き残ります。
清衡が奥州を取り戻すため頼ったのは、またしても源氏でした。
源義家を味方に引き入れ、後三年の役が始まります。(4巻)

最終巻、奥州藤原氏は圧倒的な支配地域を手に入れていました。
姓を再び藤原に戻した藤原清衡から代を経て、時代は藤原泰衡が中尊寺金色堂を眺めます。
中央では平氏が牽制を振るい、それに対抗するため奥州はまたしても火種を入れてしまいます。
源義経、源平合戦での英雄。そして泰衡、平氏、源頼朝、奥州にまたしても火が燃え盛ります。

本作品は歴史小説ですが、岩手の神での舞、阿弖流為の亡霊、夢枕でのお告げなど、ファンタジー要素も盛り込み、純粋な歴史小説とは少し違った楽しみ方もできると思います。

勝利にしても後味の悪い勝利、敗北でも笑顔での敗北。
最後に笑っているのは誰なのか。

源平合戦の陰に隠れた、奥州の歴史に触れてみてはいかがでしょうか。

なお、NHKの大河ドラマにもなりましたが、4巻以降の原稿が間に合わず、話はだいぶ変わっているようです。

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