社員が選ぶ 最近読んだ1冊 NO.278
| おすすめ人 | この1冊 | こんな本です | 
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![]() 2025.10.31  | 
	![]() マルチの子 西尾 潤/著 徳間書店  | 
	10月24日から公開されている映画「愚か者の身分」の著書・西尾 潤さんの作品を紹介します。 「健康磁器マットレス」を個人相手に高額で売る、マルチ・レベル・マーケティング(マルチ商法)の世界に足を踏み入れた主人公の真瑠子が、金儲けや承認欲求の沼にハマり、破滅に向かっていく様子を描いたこの作品。 高性能な商品がお手頃価格で出回っている世の中で、出所の分からない怪しい高額商品をなぜ買ってしまうのか?しかも、全く聞いたこともない会社の販売員から!…そんな疑問をもとにこの本を手に取ったのですが、様々なマルチの手法やハマっていく人の心理を細かく知ることができて、とても勉強になった一冊でした。 マルチ商法は、商品を販売するだけではなく、新しい販売員を勧誘してネットワークを拡大することで利益を得るわけですが、そう簡単に儲かるわけではありません。 組織を拡大するために、セミナーの開催や勉強会・ミーティングの参加など、朝から晩まで頭と体をフル回転させ、下手するとそこらへんの会社員より忙しい毎日です。にもかかわらず、毎月の固定給や交通費が支給されるわけではなく、結局は商品を売らない限りお金にはならないのです。 最悪の場合は、ノルマを達成するために家族名義で契約して自身で代金を支払ったりと、持ち出しが上回って借金が嵩む始末となります。 それでもマルチ商法をやめられない理由は何なのか。 そして、引き返せなくなった時に起こる数々の悲劇とは。 著者の実体験をもとに描かれている作品ですので、手にした人は是非「あとがき」まで読んでみてください。 出版者のサイト  | 



