社員が選ぶ 最近読んだ1冊 NO.277
おすすめ人 | この1冊 | こんな本です |
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![]() 2025.9.26 |
![]() 赤と白 櫛木理宇/著 集英社 |
本の表紙デザインに一目惚れしました。 あまり表紙デザインは気にしないで手に取る質なのですが、タイトル通りの「赤と白」の配色、そして謎の状態の女子高生2人が写っていて、不穏な空気が感じられます。 内容もそんな期待(?)を裏切らず、バリバリに嫌な感じ。 晴れの少ない雪国の田舎町で暮らす2人の女子高生、小柚子と弥子。 それぞれ家庭環境に問題を抱えながらも、それをひた隠し、お互いを大切に想い合う親友同士の2人。 そんな2人の前に小学校の時に転校していった友人・京香という少女があらわれて… ジャンルでいうとミステリーになるのでしょうか。ある事件の記事が冒頭で出されていて、誰がその事件の被害者なのか、加害者なのかも気にしながら読んでいくので。 田舎町で閉鎖的な気持ちで過ごす主人公たち、それを取り巻くヒリつく人間関係に終始チクチクさせられました。 親友同士でも、いや親友同士だからこそ、打ち明けられないこと、あると思います。思春期だと尚更。 もし、もっとお互いに少しでも家庭環境について愚痴れていたら、と思わずにはいられない、切ない読後感のある小説でした。 出版者のサイト |