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おすすめ人 この1冊 こんな本です
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2024.1.24


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怪奇現象という名の病気
沖光峰津/著
竹書房

精神病院で警備のアルバイトをしている主人公の沖田は、入院患者たちと交流していく中で、彼らの不思議な体験談を聞く。

幼い頃から幻覚を見るたびに、祖母から与えられた呪文と毛布で難を逃れる青年。
自傷行為がひどくて入院したが、「子供に纏わりつかれて噛まれるんだ」と言い張る老人。
河童を退治した時に得た“腕のミイラ”(誰が見ても猫の腕)を自慢げに見せる精神遅滞の男性。
自分は本当はタヌキだが、人間に化けて戻れなくなってしまったという、鬱で変身願望がある男性。

患者の話の大半は支離滅裂で、妄想や幻覚で片付けられてしまうが、この本に出てくる患者の話はどんな質問をしても辻褄が合っていて、事実だと思わせるような怪奇現象が起こっていく。
患者たちが直面しているのは、本当に心の病なのか…?

この作品は、小説投稿サイト×竹書房「第一回最恐小説大賞」を受賞した短編小説です。

精神病院に入院している人たちは(私の想像ですが)、普通の精神状態や常識の中で生活している人間には理解しづらい言動や行動が多く、彼らと接する医師や看護師、スタッフは人一倍気を遣って仕事に取り組んでいるのだろうと思います。

患者たちの心身状態を「この人は病気だから仕方ない」、「根本的解決が無いなら、薬で抑えるしかない」と考えがちですが、私たちにしたら妄想や幻覚に思えることも、彼らにとっては実際に起こっているのと等しかったら、それはものすごい恐怖です。

自分だけにしか見えない、聞こえない、感じない、自分の話を誰も信じてくれない、入院しているからいざとなっても逃げ出すことができない。
自分に置き換えて考えると、正気でいられる方が難しいでしょう。

この本を読むと、“もしかすると中には心の病気とは関係のない、怪奇現象と呼ばれるものに襲われている人もいるのかも…”と思ってしまいます。

ホラー要素が強すぎず、短編なので色々な結末を楽しむことができて、サクサク読むことができました。

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