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おすすめ人 この1冊 こんな本です
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2021.6.24


ことば絵本 明日のカルタ

倉本美津留/著
テッポー・デジャイン(藤原徹司)/イラスト

日本図書センター

「子供に読み聞かせたい絵本は?」と質問されたら、私はこの絵本をお勧めします。
『明日のカルタ』は、子供が大人へ成長していく過程で、持ち合わせておくべき考え方が詰まっているからです。

えっ、子供だけ?

いえ、大人にも是非読んでもらいたい絵本でもあります。
なぜなら、今の自分が見えてくる、いわば写し鏡になり得るからです。
「確かに!」「そうだよね。」と再認識する人もいれば、「当たり前の事でしょ。」と当然知っている、「現実はそう甘くない…」と綺麗事の様に感じてしまう人も居るはずです。
しかし、読んだ後、「子供に読み聞かせたい絵本ですか?」と尋ねられれば、おそらくかなり多くの大人が「読み聞かせたい絵本」と答えると思います。子供に読み聞かせたくて、自分にとっては綺麗事と感じてしまう。
もしかすると、子供よりも大人が読むべき絵本なのかもしれません。

構成は、カルタ同様五十音順でなっており、一音一音、伝えたい言葉がユニークに表現されています。
著書は、放送作家の倉本美津留さん。
数々のヒット番組に関わり、有名な番組だと、『ダウンタウンDX』『M1グランプリ』『たけしの万物創世記』とエンタメ系から教育系まで挙げたらキリがありません。
ユニークな発想は、境界を越えたボキャブラリーにあるのだと思います。
また、絵本の主役であるイラスト。
私に、この絵本を手に取るきっかけを与えました。
一見、写実的に見えつつも、実はデフォルメ的。つい微笑んでしまう構図や表現が詰まっています。
イラストは、テッポー・デジャイン(藤原徹司)さんで、レトロでリアルでコミカルなイラストを得意としています。このイラストだから、ユニークな言葉が、よりユニークに伝わるのでしょう。

最後に、私が『明日のカルタ』で倉本さんが最も伝えたかった事はきっと「ふ」と「ろ」の二音にあると思った事に触れ、終わりにしたいと思います。

ふ、「普通じゃない!と言われたらチャンス!」
ろ、「ろくなもんじゃない!と言われたらチャンス!」

この二音、なんだか似ていませんか。
おそらく、倉本さんが最も伝えたかったからこそ、同じ意味合いのものが出て来たのだと、私は思います。
自分に率直に行動し、個性を大事に明日に向かって成長していく。
感じ方は十人十色。
今、感じたい言葉がこの絵本にはあるはずです。
是非、読んでみては如何でしょうか。

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