社員が選ぶ 最近読んだ1冊 NO.134

おすすめ人 この1冊 こんな本です
HT
2013.4.12


雲の都1~5

加賀乙彦

新潮社
昨年読んだ加賀乙彦氏の「永遠の都」に魅せられて、その続編である「雲の都」全5巻は大切にゆっくりと読み進めた。

「永遠の都」は昭和初期から戦後までの日本を、「雲の都」は戦後(1952年血のメーデー)から20世紀末(阪神大震災・地下鉄サリン事件とその後)に至る日本を描いている。(毎日出版文化賞・特別賞受賞)

自伝的小説、つまり加賀氏一族の20世紀100年分の歴史を綴った大河作品である。

祖父・母・自分(加賀氏)・息子・孫の5代を描く大作とは、書く方にもそうであろうが、読む方にもなかなかのボリュームと迫力であった。

基本的には医者・政治家・音楽家など人生において成功をたどった一族の歴史であり、特に「雲の都」の後半では多少鼻につく部分も感じられたが、ここまで綿密に20世紀の日本を書き込んだ小説もないのではないだろうか。


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