社員が選ぶ 最近読んだ1冊 NO.111

おすすめ人 この1冊 こんな本です
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2012.6.18


「トギオ」

太朗想史郎

宝島社
このミス2010年の大賞受賞作です。(「このミステリーがすごい!」宝島社)

あとがきにもありますが万人受けする作品ではなく、純粋なミステリーというわけでもなく、小説の状況設定が一切なく非常に不親切な、人によっては読みにくい小説です。
でもすごい迫力で、作者の書かずにはいられないエネルギーみたいなものを痛切に感じる作品でした。

近未来の日本らしき国をモチーフにした作品。<東暁(とうぎょう)>と呼ばれる豊かな未来都市と、国から見捨てられた貧困の極みにある(大正・昭和を髣髴させる)<東暁>以外の地。
「オリガミ」と呼ばれる携帯端末。「オリガミ」には国家が管理する個人認証と電子マネーが組み込まれ、人はオリガミと自らの頭脳を連動をさせ、情報洋からオリガミを通じて必要なデータを収集・分析させます。オリガミを通じて仮想・妄想空間にトリップすることもできます。本当のオリガミみたいに折りたたんで紙飛行機にできたりして、面白いです。

著者の第1作にして大賞作とのことなので、まだどんな作家さんなのかもわからず、次作が楽しみです。

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