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2014.12.17


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蠅の王

ウィリアム・ゴールディング/著 平井正穂/訳

出版社
舞台は近未来の大戦下。
イギリスからの疎開飛行船が敵の攻撃により追撃され、無人島に漂着した。
大人は全員死亡し、助かった者は少年たちのみ。
幸い島には豊富な果実や野生の豚がいる。
当分は心配なく暮らせそうな状況で、皆で知恵と力を合わせ救助を待とうとするが――――

狼煙の当番、狩猟隊分担など基本的なルールを作り、何とか助けを得ようと苦心する者がいる中、獲物を捕まえること自体に喜びを見出してしまい、ルールを破る者が出てくる。
「大人」や「教師」という統率者のいない状況で、対等な子どもたち同士がお互いを管理し合うのは難しい。 相手への敬いがあればこそ、その相手の命令や苦言を素直に聞くことができるのだ。

無人島に漂着する前は皆学校に通うごく普通の少年たちだったはずなのに、徐々に理性を失っていく姿が痛々しい。 もし同じ状況があったとしたら、この小説の通りになるのではないだろうか。

最後の方はページをめくる手が止まらなかった。

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